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ふらッとあーと

ふらっと訪れた美術館や展覧会についての記録

国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業 ミュシャ展

プラハから門外不出と言われていたスラブ叙事詩が来日…

行く価値が無いわけないんです

 

www.mucha2017.jp

 

だって、普通なら飛行機乗って、通じもしない言葉を駆使して会いにいかなければならないところ向こうから会いにきてくれたんですよ

 

都内の交通費往復ちょろっとと千と数百円で見れる

 

ほんとに日本、というか東京にいると海外に行かずとも世界中の名品に会える…

(現地の空気感じゃないと!というのも一理あるが)

 

 

で、金曜日の夕方にいきました

 

あらかじめ草間彌生展とのセット券(2,400円)を購入していたため、当日券のために並ぶこともなく、入り口でスマホの画面を見せればOK

スマートに入場

 

入ってすぐ、スラブ叙事詩!!!

どの壁にもどーんと掛かっています

ある程度Twitterなどでチェックしてたのですが、ここまで大きく迫力があるとは…

 

またそれ以上に驚いたのは細部まで忠実に描かれていること

 

とくに人物の多さ

ひとりひとり、いまにも動き出して画面から出てきそうです

 

一体どれほどのスケッチをしたのか…構図をどれほど考えたのか…

思うだけで気が遠くなりそうです

 

とくに、色の濃淡や遠景の様子など、スマホなどの画面上ではよく分からなかった部分をじっくりと見ることができます

こんなにも大きな画面であるにも関わらず、端から端まで、近景遠景関係なく、すべて手を抜かずに描いているのがわかりました

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(奥の展示室は撮影OKでした)

 

ミュシャは、装飾的な部分で有名であり、ファンが多いが、私は彼の描く人物、とくに正面の顔が好きだ

 

その好きな表情がスラブ叙事詩の中にもいくつかあった

 

なかでも《クロムニェジージュのヤン・ミリーチ》に大きく魅かれた

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(画像:公式ホームページより)

 

ほかの作品と比べるとサイズは小さい

その画面の中にはやぐらがたち、人々が上にも下にもいる様子が描かれている

 

ちょうど目線の高さでやぐらの下にいる女性と目が合う

なにか恐ろしいものを見るような怯えるような表情でこちらを見つめている

 

その女性の表情によって、画面の中に引き込まれるような感覚になる

まるで自分がこの場にいて目撃者であるかのような錯覚を感じる

 

上を見上げればやぐらの上にいる人々の指示が聞こえてくるようだ

 

正面を向く女性が画面の外のわれわれと、画面の中に広がる世界を繋ぐ働きをもっている

 そんな役割を持つ人物がスラブ叙事詩ではいくつもある

《原故郷のスラヴ民族》

 《スラヴ式典礼の導入》

《イヴァンチツェの兄弟団学校》

《スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い》など

 

とくに《イヴァンチツェの兄弟団学校》では、こちらを向く青年はミュシャ自身の若い頃の自画像である

自らもスラブ叙事詩とわれわれを結ぶ架け橋として画面に登場しているのである

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スラブ叙事詩のほかには、大阪の堺市から多く出展されていました

これは堺市のドイ・コレクションとのこと

 

展覧会会場では目立って触れられておらず(私が気がつかなかっただけかもしれませんが)会場ではどうして堺市なんだろうか?と不思議でいっぱいでした

 

その謎を残したままショップで、図録を読むとカメラのドイの土井君雄さんが収集したコレクションとのことが書いてありました

土井さんの娘さんが書いたその文章は、わずか1ページではありますが、父のミュシャへの愛とその父との思い出で溢れたものでした

 

堺市にはそのコレクションを展示する堺 アルフォンス・ミュシャ館があるそうです

 

スラブ叙事詩はもちろんのこと、日本にも素晴らしいミュシャのコレクションがあることが知れて、大変有意義な展覧会でした

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鑑賞日:4月21日(金)

鑑賞時間帯と所要時間:2時間