ふらッとあーと

ふらっと訪れた美術館や展覧会についての記録

1950年代の日本美術 戦後の出発点

電車を乗り継ぎどんぶらこ

鎌倉駅でほとんどのお客さんが降りていきます

 

鎌倉駅では降りず、もう一駅乗って、終点逗子駅に到着

そこからさらにバスに乗ります

 

たまたま接続がよかったのか、待つことなくバスに乗れて、座ることができました

乗客は地元の方が多い印象

 

逗子の海岸線沿いをのんびり揺られること20分

まだかな~と思う頃にバス停に着きました

 

神奈川県立近代美術館葉山に到着です

バスを降りると潮の香り

美術館の向こうはすぐ海です

www.moma.pref.kanagawa.jp

 

この美術館は日本初の近代美術館であり、美術教育にも熱心な美術館です

そのため大学の授業で何度も出てきた覚えがあります

なのに、学生時代には一度も足を運びませんでした…笑

 

2015年度末に惜しくも閉館した鎌倉館には、閉館ぎりぎりで行ったことがありましたが、葉山館まで足を伸ばす気にはなりませんでした

が、今回はどうしても見たい展覧会だったのです!

www.moma.pref.kanagawa.jp

 

卒業論文で取り上げたのが白髪一雄なわたしにとっては、具体美術協会と同じ時代に活躍していた作家・作品が集まる展覧会など夢のようです

 

はやる気持ちを抑えつつ、階段をあがると鎌倉館から移ってきたイサム・ノグチの《こけし》に出迎えられました

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新しい場所にも慣れたようで、もうすぐ春を感じる柔らかな日差しのもとにっこりとしていました

(移動したというパンフレットがとてもかわいかった)

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チケットを購入し(会社の福利厚生「ベネフィット」で100円割引)いざ入場

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まずはコレクション展

デザイナーとして活躍して、画家となった上田薫の展示でした

同時に草間彌生(ちゃんと解説に六本木の個展について紹介してあったのは笑った)や池田良二らの版画も楽しむことができます

 

そして、チケットをもう一度見せて、「1950年代の日本美術」展示室へ

 

入ってすぐに、タピエらと「アンフォルメル旋風」を巻き起こしたジョルジュ・マチウの《豊臣秀吉》が目に飛び込んできます

その横ではさっそく映像が流れています

マチウの公開制作の様子です

まさに目の前にある作品が出来上がっていく様子を映像から感じることができます

めちゃくちゃなようで、かっこいい

圧倒的なパワーが小さな画面からひしひしと伝わってきます

現場にいたかった…意味もわからず悔しくなります

ほかにも岡本太郎棟方志功など「そういえば、同じ年代なのか」と感じる作家がどんどん出てきます

そして、奥へと進むと壁面に映像が投影されています

具体美術協会「舞台を使用する具体美術」の第1回と第2回の映像です

田中敦子がぴかぴかと光る服を着て動き回る《電気服》や元永定正の丸い煙がぽんぽんと会場に浮かぶ《煙》などが流れます

《煙》に関してはいまはでんじろう先生の代名詞となっている空気砲で、その煙で会場がとんでもないことになって、観客が口元を抑えながら避難している様子まで記録されています

白髪一雄は《超現代三番叟》です

卒論を書く際にチェックしてはいましたが、実際に動いている様子をみるのは初めてかもしれません

 

両腕が異常に長く、真っ赤な衣装をきた白髪が舞台上を舞う、というか、うろうろします

その衣装を脱ぎ捨てると黒子のような人々が大勢、舞台上に集まり壁に向かって次々と矢を放ちます

 

自分でいま書いていても意味がわからないのですが、映像でみるととてもおもしろい!

「ことばで説明できない」とはこのことだな~と思いながら、爆笑してました

(一緒に見ていた人にドン引きされましたが)

 

ほか、戦後まだ数年しか経っていないという時代の空気がわかるような戦争をモチーフにした作品や、動き出した社会を投影した作品などが多く、1950年代がいかなる時代であったかをひしひしと感じました

 

こうして同年代の動向や作品をまとめてみる機会はなかなかないので貴重でした

はるばる足を運んでよかったなと思いました

 

それにしても、やっぱり具体美術協会は突出しておかしい…とこの展覧会で実感しました(笑)

 

ミュージアムショップは小さいけど、オリジナルもシンプルなものが何点かあり、よかったです

とくに写真家、安斎重男が撮った葉山館のポストカードが気に入り購入

 

館外には《こけし》以外の屋外彫刻もあり、散策がてら鑑賞もできました

 

外観の割にはそこまで大きくない美術館なので、するりと見終え、心地よい潮風を受けながら帰りました

また季節が変わったら来たい、そんなところでした

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鑑賞日:3月5日(日)

鑑賞時間帯と所要時間:午後に1時間ほど