ふらッとあーと

ふらっと訪れた美術館や展覧会についての記録

番外編:週末旅行〜金沢編

金沢旅行にいってきました
とても良かったので、記録として残しておきます!

 

 

きっかけは彼氏に誕生日プレゼント何がいい?と聞いたとき
「金沢にいってみたい。」
と答えられたこと。
よっしゃ、いきましょ!…とすぐに新幹線とホテルのセットを予約。
2月最初の週末にいってきました。

 

今回はリクエストにあがった
石川県西田幾多郎哲学記念館
金沢21世紀美術館
加えて、私の希望の
鈴木大拙

と、スポットだけ決めてざっくりとした旅に出ました。

 

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東京をのんびり9時過ぎに出て2時間半、昼前に到着。
前日に千葉市立美術館の小沢剛展をみたそうで、そこに出てきたハントンライスを食べてみたいとの希望で、当初の予定から1本電車を見送って、金沢駅近くでランチ。
夜はダイニングバーになるようで、お酒の瓶がずらりと並んでいましたが、居心地の良いお店でした。
何よりコスパが最高だった!
ハントンライス に好きなトッピングがつけれ850~950円
私はカキフライ、彼は白身フライにしました。
それぞれ3つずつ熱々のフライがのっていて、大満足!
計画変更が功を成した~

 

満腹で駅に戻り、七尾線直通のIRいしかわ鉄道に乗車
濃いピンク色でかわいい車両です。
ドアは手動(!)で、初体験でした。ボタンはね、青梅線とか東京でもあるからね
車内は高校生?でいっぱいでした

金沢駅から20分ほどで宇野気駅に到着です、
金沢ではICで入れましたが、退場はできず、窓口で処理してもらいました。

ここからは徒歩20分でもいけますが、この日は寒かったのでタクシーを使いました。
それでもワンメーターくらい

タクシーの運転手さんは慣れてるようで、「西田…」と言えばすぐに「あ、記念館ね」連れて行ってもらえました。駐車場と本館を繋ぐエレベーター脇で降ろしてもらい、エレベーターへ。

石川県西田幾多郎記念哲学館

ここの建築は安藤忠雄設計です。安藤忠雄建築の特徴はなんといってもコンクリート打ちっぱなしというのもありますが、このエレベーターでの演出もあります。
案の定、エレベーターが着き、外に出ると視界が開き、眼下に先程電車で通ってきた街並みが広がります。高台から周囲を見渡すこの光景はまさに絶景です。

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館内に入ると、受付にお姉さんがひとり。この時はたまたま外壁の工事中のため入館無料というなんとも太っ腹な対応…!

 

館内はミュージアムとセミナーホールに分かれていて、まずはミュージアムを見学。
哲学についての導入からはじまります。
展示はセンサーで自動案内が流れたり、iPadで映像や電子書籍が見れたりと想像以上にハイテク…!
こういう市がやっている記念館などは大抵アナログで、何年前に作ったんだ?という感じの黄ばんだパネルが貼りっぱなしというところが多いのですが、どこにも負けないくらいきちんとしていてただただ驚き。
ただ、この日は土曜日にもかかわらず、入館者が私たちとあと1組くらいで、少しさみしい感じでした。良い展示なのにもったいない。収支とか大丈夫なのかな…。
哲学を軽く学んだら、いよいよ西田幾多郎についてです。

 

石川県出身の西田幾多郎は、同じく石川県出身の鈴木大拙とともに哲学者として有名です。鈴木大拙、山本良吉、藤岡作太郎とは第四高等学校で出会い、生涯を通しての友であったそうです。
西田は学生を終えると教師となり、京都大学でも教えるようになります。その間に『善の研究』を執筆しました。
晩年は鎌倉に居を移し、終戦直前に亡くなるまで執筆活動を続けていました。

と、ざっくり西田幾多郎についてでした。詳しくは調べた方が良いです笑

 

教育者、学者として華やかな生活かと思えば、その裏ではほとんど常に親族の看病や死があったそうで、それについて、記念館の展示では何度も触れていました。展示を見ていて、両親、奥さん、そして子供にまで先立たれてしまいながらも長く生き、思索を続けたその姿に感服しました。

展示室の2階には当時使っていたものや、初版本、直筆の原稿などが展示されていました。
なかでも面白かったのは引き出しです。
各展示台の下に引き出しがあり、それを引くと原稿やさまざまな人物とのやりとりの手紙など一点一点入っています。自動的に電気が点灯する仕組みで、保護の面からみてもとても良い展示でした。

あと、評論家、倉田百三からの手紙の文字がかわいすぎて!
当時の人たちの書き文字が見れるのもおもしろい点のひとつでした。

とにかく、ことばにあふれた展示で、2時間くらいじっくりと見ました。

 

セミナーホールの建物に移動し、最上階へ。
展望フロアのようで、先ほどの入り口からさらに上からの景色を見ることができます。
ここも誰もいなくて、のんびりと北陸の景色を楽しみました。

地下に移動すると、こたつが…!
こたつに入って本が読めるようになっていました。
1階の図書館や2階のカフェにも行ってくまなく安藤建築を堪能しました。
カフェでは、企画展にあわせたメニューがあったり、ここでも哲学に関する本や金沢の旅行本を読むことができたりして欠点が見当たらないくらい居心地の良い場所でした。

帰りもタクシーを呼び、来るまでの間哲学の杜を散策しました。

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金沢に戻り、ホテルにチェックイン後、近江町市場近くのギャラリー、アートグミ金沢に立ち寄って、夕飯を済ませました。
夜の近江町市場はほとんどお店が閉まっており、最初に入ったお店は近江町市場を入ってすぐにあるところでした。
ザ・観光客向け(いろんな意味)のところでちょっと良くなかったです…。

 

仕切り直しで行ったところは、るるぶの無料誌に載っており、近江町市場と反対の道にあるところで、その立地からかあまり人が入っておらず、不安でしたが、ここが予想以上に良かったです!
おでんは食べる前からだしの香りがして、加賀野菜を使った料理(今回は金時草のおひたし)があり、1軒目のお店がチャラになるくらい美味しかったです!
店員さんもイケメン多かった…なによりモツ煮が美味しかった…甘辛くてあの味は居酒屋ではなかなか出てこない…もう一度食べたい…

という感じで大満足になり、ホテルに帰りました。

 

 

 

2日目は雪が降る中、鈴木大拙館と金沢21世紀美術館、そしてもう1箇所追加して石川県立美術館にいってきました。

ほんとはいろいろ書きたいところですが、長くなりそうなのでざっくりと感想を…

鈴木大拙館:
金沢に3度きていますが、鈴木大拙館は初なので楽しみにしていました!
どんどん降る雪の中、入館すると、しんとした空間で外の雪を忘れてしまうほどでした。
今回はたまたま企画展が民藝運動関連で、柳宗悦棟方志功バーナード・リーチなど個人的にツボな展示でした。
外に出ると雪は止んで、晴れ渡っており、よいタイミングで庭の見学をすることができました。

お知らせ | 鈴木大拙館

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(同じ日に見えないな…)

 

石川県立美術館:
意外と時間ができたので、歩いていける距離にあった県立美術館へ。
広くて立派な美術館で驚きました。カフェがホテルにあるような豪華さで、びっくり…今度はカフェ目的できてもいいかもです。
今回はコレクション展のみを鑑賞。
前田藩ゆかりの宝物から九谷焼、近現代絵画、彫刻と幅広く展示されていました。
中でも絵画の部屋に入った瞬間に目に飛び込んできた鴨居玲《1982年 私》は圧巻でした。
東京で鴨居玲展が開催された時にみたことはあり、その時もおおいに驚きましたが、
今回は事前に調べておらず、おもいがけない再会となったためより驚きが強かったです。
でも、嬉しい再会で広い展示室の中でじっくり味わうことができました。

 

www.ishibi.pref.ishikawa.jp

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金沢21世紀美術館
大雪にもかかわらず(というか大雪だから?)チケット売り場が混雑してました。
企画展は「ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー」展
ちょっと気味の悪い、でものぞいてみたくなる展示でした。
それにしても観光客だらけ。。それに合わせてかコレクション展も感覚的にわかるような工夫がされた展示でした。(物足りなさは否めない)
それより、ギャラリー部分で開催されていた泉太郎のほうがおもしろかったな〜

www.kanazawa21.jp

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という感じで、金沢のアートを満喫して、駅でお土産を買い込み、新幹線で金沢駅ビール片手に笹寿司を堪能して帰京しました。
このあと、北陸は大雪になったようで、心配ですね
地元のタクシーの人もあまり降らないって言ってたからな…

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

どうしても載せたかったのに、1ヶ月も経ってしまった…

いま話題の現代アートレアンドロ・エルリッヒです!

 

www.mori.art.museum

 

レアンドロ・エルリッヒは日本では金沢21世紀美術館に恒久展示されている《スイミング・プール》が一番有名です。

2014年にはその金沢で個展が開催されました。
当時、学生だった私は友達と夜行バスでいきました。
(その日の夜の夜行で帰るという強行旅行)

わたしは《スイミング・プール》しか知っていませんでしたが、ほかの作品も大型で、体験して楽しむことができました。
外からの鑑賞だけではわからない、作品の中に入ることで生まれる驚きがとても新鮮で、わざわざ金沢まで足を運んだかいがあったなーと思いました。

 

で、満を持して東京で個展開催です。
しかも、近作だけでなく初期から現在に至るまでを俯瞰できる展覧会です。

昨年の12月24日の夕方に行ったところチケット売り場まで1時間(多分、シティービューとか一緒だから…クリスマスイブだから…)でした。
なので、先に食事(飲み放題付き)を済ませてから入館しました。とにかく酔っ払っていたのであんまり覚えてないのです笑

そこで、1月20日のトークイベント(森美術館ではラーニングと言うようです)に参加して、改めて見てきました!

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トークセッション 「プロトタイプとしてのアートについて考える―レアンドロ・エルリッヒ作品を通して」と題されたこのイベントでは、フランスの哲学者エリー・デューリングが提唱するプロトタイプ論を元に、エルリッヒ作品を紐解く会でした。

哲学を学んでいない私にとってはさっぱりな内容かと思っていましたが、プロトタイプ論とは何かという導入からはじまり、エルリッヒ作品について、質疑応答と濃密な時間でした。

中でも、デューリングが普通の作品では、作品構想→制作(過程)→完成ですが、完成のあとがつづく作品だと言っていたのがとても印象的でした。
エルリッヒの作品は、完成後に鑑賞者が作品の中に入ることで、ようやく本当の完成と言えるのかもしれません。
その本当の完成もある程度の予測し、エルリッヒがコントロールしているという指摘もありました。

ただただ楽しんで鑑賞していた私にとっては、新たな視点からみることができた機会となり、いってみてよかったです。

エルリッヒ本人も登壇し、歴史的な瞬間を目撃することができたような気分です。

別の話になりますが、外国人のプレゼンと日英同時通訳機が初体験でした(笑)
両方ともすごいですね(いろんな意味で)

そのあと、イベントを思い出しながら、展覧会を周り鑑賞することができました。

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デューリングが推してた作品

 

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一番人気で人がすごかった作品とその模型

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金沢にある《スイミング・プール》の模型

 

 

 

鑑賞日:1月20日(土)
所用時間:トークイベント2時間+鑑賞1時間

 

世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦

2018年、最初の展覧会はこちら!

 

www.itabashiartmuseum.jp

 

と言いつつ終わってしまいました…

 

最終日前日に駆け込んできました

 

板橋区立美術館にいくのは何年ぶりだろう
学生時代に授業の関係でボローニャ展にいって以来だと思う
都営三田線の終点、西高島平駅からしずかーな住宅街をとぼとぼ歩くことを考えるとどうしても足が向かない


今回は誘われたから、思い切っていってみた
あと、会社のデザイナーさんたちがこぞって行ってよかった!と言っていたから…

 

駅を降りると美術館方面に歩いて行く人が多い
たまたま電車で向かいの席に座っていた親子も行くようだ
それとすれ違う人、つまり美術館から帰る人も多い

 

道中、中間地点あたりにファミマができている
(絶対、なかった、ローソンしか、なかった)

 

美術館に到着すると、チケット最後尾の看板が…
ちょうどバスが両方面から到着し、たくさんの人が降りてくる
急いで列に並ぶと後ろに長く伸びていった

 

こんなに混んでいる板橋区立美術館、初めてみた!
ここ最近は「永遠の穴場」ではないようだ
(いいキャッチフレーズだな)

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会場にはひとひとひと…
幸いなことに順路が決まっているようではないのでぱらぱらとみて回ることにした

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さまざまな製本方法でできた本やシルクスクリーンで印刷するきっかけになった本などの紹介からはじまり、いままでつくってきた本の原画が壁に並ぶ

 

インドらしい明るく独特な色彩の絵から線だけで繊細に描かれているイラストレーションまで実にさまざまであった

 

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自家製水彩とはなんなのだろう

 

 

もう一部屋はボローニャ・ラガッツィ賞を受賞した「夜の木」がメインに展示されていた
「夜の木」の版別、言語別表紙の原画の展示はより一層その表紙の美しさを感じることができた(明治のTHE Chocolateに似ていると思うのは私だけ?)

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会場の一角には実際に手にとって本をみることができるスペースもあり、ここが一番大盛況であった

子供もたくさんいたが大人たちが夢中になって絵本をめくっている姿が印象的だった

私も「夜の木」を手にとって、手すきの紙の風合いや色ののり方をじっくり見ることができた

 

会場の外にはショップ(ここも大盛況)と映像コーナーがあり、代表ふたりの話を見ることができた

曖昧な記憶だが、今後の展開を語る場面で利益でなく自分たちがつくりたいものをいくら時間がかかってもいいからつくていきたいと語っていたのが、ものすごく印象的で転職したくなったのはここだけの話…笑

環境がよいからこそよいものが生まれるのだなと感じた

 

美術館を出ると入った時よりも長ーく列が伸びて(歩道まで!)いた

 

本をつくる過程の一部を仕事にしている私にとっては、よいものづくりを見ることができ、年初めにふさわしい刺激となった

 

 

鑑賞日:1月7日(日)
所用時間:1時間

 

 

2017年の展覧会

こんにちは
放っといたら、2018年になっていました

 

昨年の最後の記事がGWって…(苦笑)
今年はきちんと記録として残していきたいなと思っています

 

…その前に2017年GW以降にいってた展覧会をざっとまとめておきます
Evernoteにはまとめているんですよ…)


−−−

 

6月
ソール・ライター展
Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)
写真展


7月
萬鐡五郎
神奈川県立近代美術館 葉山(葉山)
作品数が充実していてわざわざ遠くまで行った価値があったな〜

 

9月
日本の家
東京国立近代美術館(竹橋)
建築展、図面模型がたくさんで建築詳しくないけどわくわくした

 

青野文昭展/はな子のいる風景
武蔵野市立吉祥寺美術館(吉祥寺)
初めて行った美術館でした
小さなスペースだけど企画展の充実ぶりがすごかった
浜口陽三の部屋も好き

 

白井敬尚 組版造形
ギンザグラフィックギャラリー(銀座)


高田唯 遊泳グラフィック
クリエイションギャラリーG8(銀座)
久々に銀座でギャラリー巡りした
組版造形はほれぼれするほど見入った

 

10月
シャガール 三次元の世界
東京ステーションギャラリー(丸の内)
シャガール好きで絵画はよく見ていたけど、彫刻は初
手つきがわかってより好きになったな〜

 

オラファーエリアソン 視覚と聴覚
アップリンク(渋谷)
展覧会じゃなくて映画だけど
横トリ行く前に予習

 

ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス
横浜美術館ほか(横浜)
それほど目玉作家がいなくて物足りない印象だった
数年前はわくわくしたのにな、大人になっちゃったかな

 

11月
運慶
東京国立博物館(上野)
2017年下半期話題の展覧会にもいってました
とにかく混んでいたけれども空間設定がよくできていて、楽しめた

 

ディエゴ・リベラの時代
埼玉近代美術館(北浦和
藤田嗣治のメキシコ時代の写真をみれてよかった
あとはよくわからなくて覚えていない
常設展で久々に解説をじっくり聞いた

 

12月
熊谷守一 生きるよろこび
東京国立近代美術館(竹橋)
ずっと版画だと思っていた(笑)
初期から晩年までじっくり楽しめた
3時間いた笑 まだやっているので是非


−−−

秋頃から意外といろんなところにいっていました
今年はインプットだけではなくこの場できちんとアウトプットして
自分のものにしていきたい

 

今年もよろしくお願いいたします

特別展燕子花図と夏秋渓流図

GW恒例(といいつつ、去年はいけなかった)根津美術館

 

この時期の根津美術館は毎年、国宝の尾形光琳《燕子花図屏風》を展示します

 

で、ただ展示するだけでなくもう一点毎年隣に置く作品が替わるのです

数年前は円山応挙《藤花図屏風》とならんでいました

 

今年は鈴木其一《夏秋渓流図屏風》と並ぶと聞き絶対にGWに行こうと思っていました

www.nezu-muse.or.jp

 

あとこの時期に行くべき理由はもう2点あります(のちほど)

 

表参道駅から原宿方面とは逆の方向に進んだところに美術館はあります

 

小さな竹林に囲まれた美術館は入り口を入ると、ここが都内であることを忘れてしまうような上品な空間が広がります

(5/13放送の「有吉散歩」に登場していて、竹林にたけのこが生えていると有吉たちが喜んでいた…)

 

以前来た時は、チケット売り場で並んでいたので覚悟をもってきましたが、お昼すぎたばかりだったからか並んでいませんでした(わたしたちが出る頃には列ができていた)

 

展示室では右に《燕子花図屏風》、左に《夏秋渓流図》が並んでいました

 

昨年秋にサントリー美術館であった「其一展」以来の《夏秋渓流図》です

両作品共「群青色」の生えるすばらしい作品で、この並びで見ることができたのはなかなかの贅沢だと思いました

 

説明パネルも詳しく、《燕子花図屏風》は西本願寺のオークションで購入されたものだと初めて知りました

(何度か来ているのに知らないなんて…おそらく覚えていないだけ?笑)

 

一緒にいった方は根津美術館が初来館だったので、久しぶりにそのほかのコレクションもじっくりと楽しみました

 

そして、一休みを兼ねて庭園内のカフェへ

この時期限定のデザートがあります

 

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パンナコッタ・アイリス

 

燕子花をイメージしたデザートでパンナコッタの上にブルーベリーソースとアーモンドがたっぷり

数年前にきたときはパフェ・アイリスだったような気がしますが、記憶違いでしょうか?

それでも外の新緑を眺めながら美味しくいただきました

お皿がとにかくかわいいカフェです

 

 

そして、散歩がてら庭園散策

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この時期にしか見れない燕子花です!

ちょうどよい時期に来れたようで満開でした

 

作品で見たよりも群青ではなく紫色で、モチーフとの違いを実感

作品と一緒に題材そのものも楽しむことができる時期なのです

 

お土産に《夏秋渓流図》でパッケージされた栄太郎の飴を購入しました

 

爽やかな初夏を感じる休日になりました

 

鑑賞日:5月6日(土)

所用時間:2時間(展示だけだと1時間くらい)

 

国立新美術館開館10周年 草間彌生 わが永遠の魂

 

ミュシャ展の後に草間彌生展へはしご

kusama2017.jp

 

こちらは入った瞬間に連作「我が永遠の魂」

およそ130展が展示室の壁を埋め尽くしている

その展示室の真ん中には彫刻(立体作品という方が正しいかな?)が並んでいる

 

そんな作品たちに囲まれて、鑑賞者は思い思いに写真を撮る撮る撮る

まさにいま流行りのSNS映えする展示室である

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作品はというとどれも赤や黄色、黒など毒々しい色遣いの絵画が並ぶ

タイトルもひとつひとつについており、《自殺した私》《肉体がボロボロになった私の死》などネガティヴなタイトルも目に入ってくる

 

そのタイトルとは打って変わって、鑑賞者たちは笑顔で写真を撮りまくる

 

客観的になってみると、なんとも気持ちの悪い光景だと思った

 

草間彌生はいつからこんなにも大衆受けするポップアートになってしまったのだろうか

(直島か?)

 

そんなことを思いながら、展示室を進む

 

幼少期の作品からはじまる

すでに水玉が画面を埋め尽くしている

この世界のすべてを埋め尽くしてしまうような水玉

 

展示室を進むとニューヨーク時代の作品が並ぶ

作品はくねくねとした順路の両側に置かれており、まるで草間ワールドに迷い込んでしまったかのよう

 

のちにハプニングと呼ばれるようになる作品や映像もあった

 

が、さらりとおわった印象

深堀することなく、「こんなことしてたよ」くらいの紹介なのだろうか

 

展示室を折り返す頃には、最初の部屋で写真を

撮っていた人たちよりも外国人の方が熱心にみていることに気がつく

 

何を求めて来るかは自由だが、なんとなく悲しくなった

とりあえず入って写真撮って拡散してね!という感じの展覧会だと思ってしまう

で、鑑賞者もその通りに動いてしまう

そんな展覧会だと個人的に思った

 

私がハプニングの頃が好きだから、軽く紹介程度の展示だったことが気に食わなかっただけかもしれない

が、ちょっと不満の残る展覧会でした

 

脅迫観念から生まれた「水玉」はいつの間にか万人ウケする「ドット」になったことを痛感しました

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鑑賞日:4月21日(金)

所用時間:1時間

国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業 ミュシャ展

プラハから門外不出と言われていたスラブ叙事詩が来日…

行く価値が無いわけないんです

 

www.mucha2017.jp

 

だって、普通なら飛行機乗って、通じもしない言葉を駆使して会いにいかなければならないところ向こうから会いにきてくれたんですよ

 

都内の交通費往復ちょろっとと千と数百円で見れる

 

ほんとに日本、というか東京にいると海外に行かずとも世界中の名品に会える…

(現地の空気感じゃないと!というのも一理あるが)

 

 

で、金曜日の夕方にいきました

 

あらかじめ草間彌生展とのセット券(2,400円)を購入していたため、当日券のために並ぶこともなく、入り口でスマホの画面を見せればOK

スマートに入場

 

入ってすぐ、スラブ叙事詩!!!

どの壁にもどーんと掛かっています

ある程度Twitterなどでチェックしてたのですが、ここまで大きく迫力があるとは…

 

またそれ以上に驚いたのは細部まで忠実に描かれていること

 

とくに人物の多さ

ひとりひとり、いまにも動き出して画面から出てきそうです

 

一体どれほどのスケッチをしたのか…構図をどれほど考えたのか…

思うだけで気が遠くなりそうです

 

とくに、色の濃淡や遠景の様子など、スマホなどの画面上ではよく分からなかった部分をじっくりと見ることができます

こんなにも大きな画面であるにも関わらず、端から端まで、近景遠景関係なく、すべて手を抜かずに描いているのがわかりました

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(奥の展示室は撮影OKでした)

 

ミュシャは、装飾的な部分で有名であり、ファンが多いが、私は彼の描く人物、とくに正面の顔が好きだ

 

その好きな表情がスラブ叙事詩の中にもいくつかあった

 

なかでも《クロムニェジージュのヤン・ミリーチ》に大きく魅かれた

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(画像:公式ホームページより)

 

ほかの作品と比べるとサイズは小さい

その画面の中にはやぐらがたち、人々が上にも下にもいる様子が描かれている

 

ちょうど目線の高さでやぐらの下にいる女性と目が合う

なにか恐ろしいものを見るような怯えるような表情でこちらを見つめている

 

その女性の表情によって、画面の中に引き込まれるような感覚になる

まるで自分がこの場にいて目撃者であるかのような錯覚を感じる

 

上を見上げればやぐらの上にいる人々の指示が聞こえてくるようだ

 

正面を向く女性が画面の外のわれわれと、画面の中に広がる世界を繋ぐ働きをもっている

 そんな役割を持つ人物がスラブ叙事詩ではいくつもある

《原故郷のスラヴ民族》

 《スラヴ式典礼の導入》

《イヴァンチツェの兄弟団学校》

《スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い》など

 

とくに《イヴァンチツェの兄弟団学校》では、こちらを向く青年はミュシャ自身の若い頃の自画像である

自らもスラブ叙事詩とわれわれを結ぶ架け橋として画面に登場しているのである

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スラブ叙事詩のほかには、大阪の堺市から多く出展されていました

これは堺市のドイ・コレクションとのこと

 

展覧会会場では目立って触れられておらず(私が気がつかなかっただけかもしれませんが)会場ではどうして堺市なんだろうか?と不思議でいっぱいでした

 

その謎を残したままショップで、図録を読むとカメラのドイの土井君雄さんが収集したコレクションとのことが書いてありました

土井さんの娘さんが書いたその文章は、わずか1ページではありますが、父のミュシャへの愛とその父との思い出で溢れたものでした

 

堺市にはそのコレクションを展示する堺 アルフォンス・ミュシャ館があるそうです

 

スラブ叙事詩はもちろんのこと、日本にも素晴らしいミュシャのコレクションがあることが知れて、大変有意義な展覧会でした

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鑑賞日:4月21日(金)

鑑賞時間帯と所要時間:2時間