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ふらッとあーと

ふらっと訪れた美術館や展覧会についての記録

1950年代の日本美術 戦後の出発点

電車を乗り継ぎどんぶらこ

鎌倉駅でほとんどのお客さんが降りていきます

 

鎌倉駅では降りず、もう一駅乗って、終点逗子駅に到着

そこからさらにバスに乗ります

 

たまたま接続がよかったのか、待つことなくバスに乗れて、座ることができました

乗客は地元の方が多い印象

 

逗子の海岸線沿いをのんびり揺られること20分

まだかな~と思う頃にバス停に着きました

 

神奈川県立近代美術館葉山に到着です

バスを降りると潮の香り

美術館の向こうはすぐ海です

www.moma.pref.kanagawa.jp

 

この美術館は日本初の近代美術館であり、美術教育にも熱心な美術館です

そのため大学の授業で何度も出てきた覚えがあります

なのに、学生時代には一度も足を運びませんでした…笑

 

2015年度末に惜しくも閉館した鎌倉館には、閉館ぎりぎりで行ったことがありましたが、葉山館まで足を伸ばす気にはなりませんでした

が、今回はどうしても見たい展覧会だったのです!

www.moma.pref.kanagawa.jp

 

卒業論文で取り上げたのが白髪一雄なわたしにとっては、具体美術協会と同じ時代に活躍していた作家・作品が集まる展覧会など夢のようです

 

はやる気持ちを抑えつつ、階段をあがると鎌倉館から移ってきたイサム・ノグチの《こけし》に出迎えられました

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新しい場所にも慣れたようで、もうすぐ春を感じる柔らかな日差しのもとにっこりとしていました

(移動したというパンフレットがとてもかわいかった)

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チケットを購入し(会社の福利厚生「ベネフィット」で100円割引)いざ入場

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まずはコレクション展

デザイナーとして活躍して、画家となった上田薫の展示でした

同時に草間彌生(ちゃんと解説に六本木の個展について紹介してあったのは笑った)や池田良二らの版画も楽しむことができます

 

そして、チケットをもう一度見せて、「1950年代の日本美術」展示室へ

 

入ってすぐに、タピエらと「アンフォルメル旋風」を巻き起こしたジョルジュ・マチウの《豊臣秀吉》が目に飛び込んできます

その横ではさっそく映像が流れています

マチウの公開制作の様子です

まさに目の前にある作品が出来上がっていく様子を映像から感じることができます

めちゃくちゃなようで、かっこいい

圧倒的なパワーが小さな画面からひしひしと伝わってきます

現場にいたかった…意味もわからず悔しくなります

ほかにも岡本太郎棟方志功など「そういえば、同じ年代なのか」と感じる作家がどんどん出てきます

そして、奥へと進むと壁面に映像が投影されています

具体美術協会「舞台を使用する具体美術」の第1回と第2回の映像です

田中敦子がぴかぴかと光る服を着て動き回る《電気服》や元永定正の丸い煙がぽんぽんと会場に浮かぶ《煙》などが流れます

《煙》に関してはいまはでんじろう先生の代名詞となっている空気砲で、その煙で会場がとんでもないことになって、観客が口元を抑えながら避難している様子まで記録されています

白髪一雄は《超現代三番叟》です

卒論を書く際にチェックしてはいましたが、実際に動いている様子をみるのは初めてかもしれません

 

両腕が異常に長く、真っ赤な衣装をきた白髪が舞台上を舞う、というか、うろうろします

その衣装を脱ぎ捨てると黒子のような人々が大勢、舞台上に集まり壁に向かって次々と矢を放ちます

 

自分でいま書いていても意味がわからないのですが、映像でみるととてもおもしろい!

「ことばで説明できない」とはこのことだな~と思いながら、爆笑してました

(一緒に見ていた人にドン引きされましたが)

 

ほか、戦後まだ数年しか経っていないという時代の空気がわかるような戦争をモチーフにした作品や、動き出した社会を投影した作品などが多く、1950年代がいかなる時代であったかをひしひしと感じました

 

こうして同年代の動向や作品をまとめてみる機会はなかなかないので貴重でした

はるばる足を運んでよかったなと思いました

 

それにしても、やっぱり具体美術協会は突出しておかしい…とこの展覧会で実感しました(笑)

 

ミュージアムショップは小さいけど、オリジナルもシンプルなものが何点かあり、よかったです

とくに写真家、安斎重男が撮った葉山館のポストカードが気に入り購入

 

館外には《こけし》以外の屋外彫刻もあり、散策がてら鑑賞もできました

 

外観の割にはそこまで大きくない美術館なので、するりと見終え、心地よい潮風を受けながら帰りました

また季節が変わったら来たい、そんなところでした

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鑑賞日:3月5日(日)

鑑賞時間帯と所要時間:午後に1時間ほど

N・S・ハルシャ展-チャーミングな旅-

随分と時間があいてしましました…

あけましておめでとうございます(3月)

2017年初記事が3月になるという…

 

気をとりなおして!

2017年初展覧会紹介は、こちらです

www.mori.art.museum

(2017年最初の展覧会は国立西洋美術館でやっていた「クラーナハ展」だったのですが、東京の会期が終わってしまったので…大阪、国立国際美術館ではまだ開催中なのでぜひ

クラーナハ展―500年後の誘惑|TBSテレビ

 

知人に内覧会に行かないかと誘われ、仕事後東京の隅っこからダッシュで東京の中心、六本木へ

 

初めて恵比寿駅でJRからメトロへ乗り換えていきましたが、乗り換えが予想以上にスムーズでした

新宿で大江戸線よりはいいかも…

 

知人と合流後、受付を済ませ53階へ

 

レセプションパーティーの時間が過ぎてしまっていたのこともあり、人は思っていたよりも少なく感じました

空間も広く使われているので、会期中たとえ混雑しても余裕はありそうです

 

南インド出身・在住の現代アーティスト、N・S・ハルシャの個展です

 

学生時代の作品からはじまり、故郷の紹介、過去作品、そして日本にきてから小学校でおこなったワークショップに至るまで網羅されています

 

正直、国際情勢や宇宙など興味がないな~と思っていましたが、直感でいいな…と思った作品があったので、2点紹介します

 

まずは《ここに演説をしに来て》

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フライヤーの正方形のパネル6枚にきっちりと人々が並べられて描かれている

どこにでもありそうなプラスチックの椅子に座る人々は、ひとりひとりが動き出しそうなほど様々な格好をしている

その中には人だけでなくゾウやスーパーマンが紛れている

 

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ただ眺めるだけではわからない、見えてこない小さな発見がこの絵には詰まっている

 

会場を1周したあとで再びこの絵の前に戻ってきて、ずうっと眺めていた

絵の前にある椅子もプラスチックで、だんだんと「自分もこの中のひとりなのでは」という不思議な感覚に陥る

 

2点目は《空を見つめる人びと》

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ある一室の床にびっしりと上を向く人々が描かれている

何かを求めているような、求めていないような曖昧な無表情に近い人々

靴を脱ぎ、その人々を足元に迎えるとぞっとした

天井を見上げると鏡があり、自分も下の人々と同じく天を見上げるようになる

まるで自分もその中に紛れてしまったかのようになる

 

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また、ここは六本木

展示室の窓からは、東京の街が眼下に広がる

都市を見下ろしながら、無数の人々に見上げられる体験

自分は一体どこにいるのだろうか、感覚がなくなってしまうような不思議な空間である

 

大型の作品数が多く、様々な意味が込められているのだろうな~と思いながらみたが、どれもピンとこず(国家とか飢饉とかそういう国際問題的な内容に疎い)

挙げた2点が直感で「おもしろい!」と感じました

きっとこんな単純な意味ではなく、より深い思いがあるのでしょうが、

想像力が追いつきませんでした

 

日本人作家以外の現代アートをみる、という点では非常に充実した展覧会でした

 

あと、無料で貸し出ししている音声ガイドがおすすめです

細野晴臣のチャーミングな声で作品理解が深まることでしょう

(眠くなることもあるでしょう…笑)

 

見終わってから六本木ヒルズのカレー屋さん「ディヤ」にいきました

diya[ディヤ] 東京六本木ヒルズのインドレストラン

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インドの作家だからカレーが食べたくなるだろうな~という軽い気持ちで内覧会に行く前に予約をしていましたが、展覧会のあとにぴったりでした!

ビリヤニが絶品でお腹いっぱい食べました

 

鑑賞日:2月4日(土)

鑑賞時間帯と所要時間:内覧会、1時間ほど

解説をじっくり読むともう少しかかると思います

 

以下、その他作品展示風景

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【開館50周年記念特別展】速水御舟の全貌ー日本画の破壊と創造ー

またまた時間があいてしまいました…笑

 

前回、杉本博司をみたと書きましたが、その足で山種美術館

【開館50周年記念特別展】 速水御舟の全貌―日本画の破壊と創造― 〔過去に開催された展覧会〕 - 山種美術館

 

写真美術館と山種美術館は方向が恵比寿駅から反対ですが、はしご出来ない距離ではないです

 

ちなみに、恵比寿駅から山種美術館へ行く途中、最近できたアトレ西館と道中にある瀬戸物屋さんを覗きました

アトレは無印良品が2階分あったり、猿田彦珈琲があったり、使いやすそうな印象

(コンビニ珈琲を持っていたのに、猿田彦珈琲で試飲を貰ってお腹たぷたぷになった)

 

瀬戸物屋さんは店先に出ていた商品を物色

小さくて使い勝手の良さそうな品物が並んでいました

 

…が、今回は大きな目的があるのでここで散財するのはグッと我慢

 

てくてく坂道を上ると見えてきます

一見、オフィスビルのようですが美術館です

道路の反対側の高校は弟が通っていました笑

 

入ってみると、おお、珍しく混雑しています

チケット売り場には列ができ、コインロッカーは空いていないので空くのを待っている人がいるくらいです

 

とりあえずチケットを購入

ここは割引クーポンアプリ「ミューぽん」が利用できます

ミューぽんみると2年くらい前にあったショップとカフェの割引について何も書かれていなかったので、終わっちゃったのかな~と思っていましたが、チケットと一緒に渡してもらえました!

山種美術館は割引にプラスしてショップとカフェの割引もついてくるので、このためにミューぽんを購入したと言っても過言ではない笑

 

 

 

さて、展覧会会場へ

展示室は地下にある

そこまで広くない展示室ですが、作品との距離が近く感じられて好きな美術館のひとつ

 

山種美術館の代名詞である速水御舟の展覧会とあって人気だ

御舟の画業を一覧でき、重要文化財である《名樹散椿》と《炎舞》を同時に見ることができるなかなかない機会

 

画業の初期には友人にむけて描いた果物と瀬戸物の静物などかっちりとしたモチーフの絵が続く

 

果物と焼物を描いた絵は、果実の柔らかさと焼物の硬さの対比がよく描きこまれていて、見ていて惚れ惚れする

日本画であるが、洋画のようなモチーフを描く良い違和感を感じた

 

先に進むと《翠苔緑芝》と《名樹散椿》が並ぶ

金地に緑の屏風がふたつ並ぶ静かだが、華やかな空間だった

 

その後は、御舟が欧州に渡って様々な表現に挑戦した作品が並ぶ

異国情緒の漂う作品もあり、今まで知らなかった部分を見ることができた

 

展示室を離れて反対側に向かうと先ほどと違い小さく暗い展示室がある

そこには《炎舞》が待っていた

暗い中、ぼんやりと浮かび上がるように展示されている

 

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今回の展覧会のチラシ

 

随分と前に見たときに比べ、小さく感じた(小さくなるはずがない)

展示室内の人が多かったからだろうか

 

でも、最前列で見ることができ、その妖艶な炎のうねりと静かに舞う蛾を堪能することができた

 

 

日本画の美しさと御舟の知らなかった面を知ることができ、大満足な展覧会だった

 

 

充実感に包まれながら、階段をのぼりエントランスに戻る

もうひとつお楽しみが待っているから、足が軽い

 

 

山種美術館はエントランスの一部がカフェになっています

そのため、少々小さく入った時は満席でした

 

が、運良く空いていて、窓際の席に座ることができました

 

ミューぽんの割引券をもらった時から頼むものは決まっています…

特製の和菓子のお茶セットです!!

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割引券(これは、ショップですがカフェも色違いのものがもらえます!)

 

コーヒーは来る前に散々飲んだから、金箔の入ったお茶にして、お菓子は《炎舞》をモチーフにつくられた「ほの穂」をチョイス

 

ここでは毎回の展覧会にあわせて、出展作品をモチーフにした和菓子を食べることができます

 

窓の外をぼーっと眺めながら待つとすぐに運ばれてきました

 

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お茶とお菓子(ほの穂)

 

黒い懐紙には金色の蛾が舞い、赤と黄色のきんとんでできた炎に寄ってきているようです

さっき見たばかりの《炎舞》が小さな世界に再現されています

食べるのがもったいなく感じますが、そっと割ってみると中にはあんこが入っていました

程よい甘さでお茶ともぴったり!

 

ずっと食べたかったものを食べることができて満足感に浸り続けました

お茶が思いの外多く入っていて、お菓子が先になくなってしまった

お腹がまたたぷたぷになってしまった笑

 

 

作品を目でも舌でも味わい尽くすことができ、充実した展覧会に出会えました

 

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ポストカードを購入したら、包装紙が変わっていました

50周年記念ロゴが良い

 

鑑賞日:11月4日(日)

鑑賞時間帯と所要時間:午後、1時間ほど(カフェには30分くらい滞在)

混んでいましたが、じっくり見ることができました

 

 

 

 

 

杉本博司 ロスト・ヒューマン 東京都写真美術館

続けてこちらも…

 

東京都写真美術館のリニューアルオープン記念展

 

東京都写真美術館

 

東京都立の美術館は交代で工事をしている

(現在は現美)

そんなに長く閉まっていた感じがしないのはもともとあまり行ったことがなかったからだろうか

恵比寿駅から動く歩道でぼーっと久々の空気を味わいながら向かった

 

でかでかとTOPと壁面に掲げた美術館になったが、中はそこまで変わった印象はなかった

(TOPのOは何なのか…)

 

ショップの配置が変わったことが大きいのかな

ナディッフのショップ

今回は寄れなかったけど、恵比寿に本店がある

白を基調としていて、グッズより写真集などの書籍多めのショップだった

 

 

〈今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない〉

 

印象的なことばからはじまるこの展覧会は人類と文明の衰退後の世界を杉本自身が集めた古美術品、骨董品、そして杉本の作品で構成され、3階からはじまる

 

リニューアルオープンと聞き、まっさらな空間を思い浮かべていくと、とんでもなかった

壁はトタンで覆われて、薄暗くまるで迷路のような不気味な空間をさまようことになった

 

それに加え、入り口でもらったキャプションを読みながらで時間がかかる

時々展示品のロブスターが歌う

2回目に聞いた時はそこに30分いたことになる

 

各キャプションはそのテーマにリンクした人々が書いているようで、誰が書いたのか見るのも楽しかった

束芋の字がよかったなぁ

あれはフォントなのだろうかアンジェちゃん

それにしても杉本博司の人脈…

 

展示品はなんとなーく不気味なものが多く、これを家に持っているのかなと何気なく一緒に行った人に聞いたら、そんな訳ないと

 

あとで会場を出たときにあるビデオで知ることになったが、どうやら別宅とかに置いているようだ…

そのビデオでは、戦争関連のものを靖国神社の骨董市で購入している様子が撮影されていて、個人的にぐっと身近に感じた

どこにでもいるおじさん、みたいな感じがその時だけした

 

 

2階に移動すると杉本作品の代名詞ともいえる《廃墟劇場》がはじまる(ここでの作品説明は省く)

足元のキャプションには、演目のシナリオと古文の一文

会場では平家物語の冒頭しかわからなかった(知識がない~)が、帰って手元の目録を確認すると源氏物語等だったようだ

 「時間層の増幅」と書かれているが、なかなか気がつけない…

 

2階に入るときに「裏側にもあります」と言われたので回ってみると、《仏の海》が壁に並んでいる

柱があるのは残念だが(さすがにリニューアルでも取れなかったか)圧巻の一言

 

いろいろなことが予想以上で、よき展覧会でした

3階の展示はなかなか見れないと思う

会期明日までですが、是非

 

このあと、同じ恵比寿にある山種美術館にも行ったのでそのうちアップします

(画像とかも載せていきたい)

 

 

鑑賞日:11月4日(日)

鑑賞時間帯と所要時間:午前中、1時間半ほど

まあまあな人出、狭いスペースは順番待たないと見れない 

開館25周年記念 シベリアシリーズ/原爆の図/地図 香月泰男と丸木位理・俊、そして川田喜久治 平塚市美術館

展覧会に行くはいいけどもなかなかまとめる時間が取れないです

社会人の辛さ…

 

今回は遠出しました

 

www.city.hiratsuka.kanagawa.jp

 

 

開催の挨拶にもあったように記念展なのにどんよりと重たく暗い印象をもつ展覧会

 

たまたま知人が招待券を持っていてはじめて何も知らずにいった

 

ららぽーと開店に賑わう平塚駅から離れること徒歩20分

まるで病院のような大きく静かな建物が佇んでいた

 

中は思っていたより広く、典型的な公立美術館の印象

 

展覧会は大きな階段をのぼった2階の会場で開催されていた

 

中に入ると香月の大きな絵画が並ぶ

これらはシベリアシリーズと呼ばれる香月自身がシベリアに抑留され、帰国後にこのシリーズは描かれた

 

極寒シベリアでの生活で体験したことが大きな画面から溢れてくるようだ

とくに朝日を描いた作品は寒い冬、真っ暗な中からまるで希望のように描かれている

絵の前に立っている間、私自身もシベリアの地で寒さも忘れて見惚れているような感覚になった

 

奥に進むと丸木位理・俊の原爆の図がある

 

原爆の図というタイトルはあまりにも有名であるが、私はタイトルしか知らず、そのタイトルから広島にあるものだと思い込んでいた

また、原爆の落ちた日のことを描いたものと思っていたが、いままでの認識がここで大きく変わった

 

原爆の図は、広島の被爆者への鎮魂を込めた作品だ

だが、広島ではなく埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館にある

全15作の連作で、そのどれもに無数の人々が水墨で描かれている

 

今回は半分にも満たない6作の出展であったが、その迫力は凄まじいものであった

 

人が苦しみ泣き叫び、助けを求め、呻き声をあげる

そんな惨状がありありと襲ってくるようだった

 

その迫力にやられつつ、近づいて見てみると人体の筋肉の盛り上がりや筋など細々と描かれている

 

気がつくと、作品の中に飲み込まれてしまったようで、じっくりとひとりひとりに魅入っていた

 

これを見にきただけでも平塚まできた甲斐があった

正直、平塚よりも埼玉の方が近いかもしれないから、是非とも全15点を目にし、飲み込まれにいきたいと強く思った

 

もうひとり川田喜久治の写真作品とあわせ、3部で構成されたこの展覧会は、見る人を突き動かすような力のある、記念展に相応しい展覧会だった

少なくとも私ひとりは大きく心が動いた

 

 

鑑賞日:10月16日(日)

鑑賞時間帯と所要時間: 東京を早めに出て、午前中いっぱいで見た

空いていました

そのあとに行ったららぽーとは混んでましたよ笑

篠山紀信展「快楽の館」 原美術館

会期はじめにかなり話題になっていた展覧会です。

http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/IoXcFNSpLejTadmKb86i/

 

日本を代表する写真家、篠山紀信の個展で

「たった4ヶ月余の一度だけの狂宴。」

 

まさにここでしか見ることのできない展覧会でした。

 

原美術館は人気のある美術館のひとつで、邸宅を利用した独特な雰囲気が漂う美術館です。

昼間には何回かいったことがあったのですが、今回は夜間開館日に初めていってみました。

 

この美術館は、夜間開館日が金曜日ではなく、週の真ん中水曜日で、珍しいです。

 

埼京線だったため、試しに大崎駅から歩いてみました。(Googleマップだと品川駅からと変わらない)

急な上り坂があるくらいで、大崎駅からのほうが近く感じました。

品川駅からの緩やかな上り坂のほうが長く感じたのかな?

 

夜間に来たため、より一層艶めかしい館のように感じます…。

 

作品はどれもまさにその展示場所で撮られた写真で、モデルが様々なポーズを決めています。どのモデルもヌードで、鑑賞しながら撮影中の様子をつい想像してしまいます。

 

壇蜜やセクシー女優さんが数人モデルを務めており、美しい身体を惜しげもなく披露しています。

 

美術館という格式の高い場(というイメージがある)で、一糸まとわぬ姿で楽しそうに過ごしている様子は、開放的でいやらしさは感じません。

 

ヌードということ以外では、凄いPhotoshop技術と印刷技術を間近で見ることができました笑

とくに、階段の…(これ以上はネタバレ)

 

また、原美術館に常設されている作品とのコラボレーションもおもしろかったです。

とくにモデルの松岡ちなさんが、森村泰昌奈良美智作品と写っているのには個人的にグッときて、何度もみました。

 

また、松岡ちなさんだけが裸足という点も非常に重要かと個人的に感じました。ほかの人はヒールを履いてるのに、裸足………

篠山紀信、わかってる!!」と心の中で握手(笑)

ちなさん引退なんて、残念。。

 

夜間開館ということもあって、私以外の鑑賞者は5、6人と少なくじっくりと楽しむことができました。

意外なことに仕事帰りの女性(私も)が多いなと思いました。

 

ヌードということが話題になりがちですが、美術館という場で撮り下ろした、その場限りの、そこでしかできない展覧会という点もなかなかない試みで、行く価値があると思います!

(あと綺麗なお姉さんが綺麗な印刷でみれる)

 

ルンルンで帰った水曜日でした。

 

http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html

 

図録、欲しかった…!

https://www.amazon.co.jp/快楽の館-篠山-紀信/dp/4062202921www.amazon.co.jp

 

鑑賞日:9月28日(水)

鑑賞時間帯と所要時間: 夜間開館時間(19時ころ)

30分くらい、さーっと見れます

美術館に滞在したのは1時間くらい

塩田千春『鍵のかかった部屋』 神奈川芸術劇場(KAAT)

内覧会にお邪魔してきたのに、会期終了後の更新になってしまった…

バタバタしすぎて、書けなかったのです、ブログの鮮度が落ちる…

 

 

ということで、神奈川芸術劇場で開催していた塩田千春のヴェネチアビエンナーレ帰国展です。

www.kaat.jp

 

大学生の頃(ちょうど1年前くらい)、担当の中野学芸員が特別講師として開催された、ヴェネチアビエンナーレの報告を兼ねた講演会を大学で聴講した。

 

ここだけの話、サンドイッチマンの伊達(金髪メガネの方)にそっくりだ!と心の中で思っていた。

 

そんな中野学芸員は、話がとてもおもしろく、夢中になってヴェネチアビエンナーレに決まるまでや現地での話を聴いた記憶がある。

 

そして、作家の塩田千春。

真っ赤な糸を使用する作品で有名だ。

とくに個人的に思入れのあるのは、2013年に国立新美術館で開催された「DOMANI・明日展」で展示されていた《大陸を越えて》だ。

塩田千春「大陸を越えて」 国立新美術館 DOMANI・明日展 2013 - YouTube

(短い映像だが、雰囲気がわかる)

 

大量の靴が床に並べられている。

どれも片方のみで、必ず手紙がついている。

そして、靴から伸びる赤い糸は、部屋の角一点に集中している。

 

展示室を入った瞬間に広がった圧倒的なパワーをいまでも覚えている。

手紙もひとつひとつに思いが込められたもので、ずっと読んでいた。

奥の方には入れなかったので、全てを読むことはできなかった(量的にも)が、願わくば読んでみたいところだ。

 

今回、ヴェネチアビエンナーレに出品された作品も《大陸を越えて》に似ているところがある。

今回は靴ではなく鍵がポイントだ。

 

展示室(小劇場のよう)に入ると、無数の赤い糸が部屋中を駆け巡っている光景が広がる。

その中には、扉がある。

帰国展といいつつ完全再現ではないKAATでの作品は、ヴェネチアで真ん中にあった船が扉になっているのだ。

 

扉を抜けると視界が360度赤の世界に包まれる。

さらに奥へと進むと、上から無数の鍵が赤い糸で頭上に垂れ下がっている。

圧巻なのは、奥にある壁の鏡だ。

いままで通ってきた空間全体が映り込み、より奥行きを感じる。

 

左右上下、さらには前後まですべてが赤の空間作品であった。

 

鍵と扉、部屋

実に私的なキーワードであるが、その空間こそが無限の広がりを生み出すのかもしれない。

 

 

 

言葉で説明してみたものの、やはり実際にその場にいってこそ、感動は伝わるのではないか…と、会期終了後に書きながら思いました。

行けなかった方、塩田千春の今後の作品に期待です!!!

 

 

鑑賞日:2016年9月13日(火)

鑑賞時間帯と所要時間:内覧会。ひと部屋のため30分程度

もっと早くみれるけど、のんびりしたため

時が過ぎるのを忘れてしまうようなところでした